企画:中村史子(学芸員)
アートプロジェクトの摩擦と緊張
2014年04月13日|京都芸術センター 3F ミーティングルーム2
芸術は、もっと多くの人と関わりあって、もっと社会に開かれているものでなければならない。そんな思いを抱いた芸術家は少なくありません。近年、各地域で行なわれているアートプロジェクトの背景にも、こうした思想が多分にあるものと思われます。
けれども、そこで掲げられる「協同」や「参加」の言葉の下で、ぶつかり、傷つくものも、あるのではないでしょうか。
誰かと会って話して、一緒に何かを生み出す。誰かと考えを共有し体験を分かち合う。それはとても美しいものです。そして同時に、1人きりだったら味わうはずのなかった摩擦や緊張、違和感も経験することになります。そんな芸術のちくちく、ひりひりする部分について、少し考えてみたいと思います。